両想い【完】

井上家



***


「祐君ありがとう♪」


もう少しで美愛の家の玄関って頃に言われる。


「ん?送りのことか?」


「うん!」


「俺がしたくてしてんの、だから気にすんな」


「気にしているんじゃなくてね、
ありがとうが言いたくなったの♪」


手を大きめに振りながら話す。


「じゃあ…俺も…
したいこと、しようかなぁ…」


立ち止まり美愛の手を引いて腕の中に抱き締める…頬に右手を添えてチュッ…軽く…


また直ぐに歩き出す。


「あ~ドキドキだぁ~…」


小さく呟いていたが聞こえてしまった…(笑)


***


玄関先に着くと中から光輝さんが出てきた。


「おっ、美愛と祐おかえり、ちょい、
コピーいってくる、じゃな」


開け放たれたドアの向こうに美愛の母親らしき人が見え、閉まりそうになったドアがその人により、また開けられ、出てきた…。


「美愛おかえり、あら、こんにちは…」


「ただいまお母さん、えとね、
こちら高城祐さん、私の
お付き合いさせてもらってる彼なの…」


「あっ、はじめまして、えっと、
俺、高城祐です、
お付き合いさしてもらってます、
よろしくお願いします」


頭を下げると『きゃーっかっこいいじゃない!』と歓迎?されたようだ。


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