両想い【完】
「お前さぁ、本気だよな?」
真剣な眼差しで聞かれ、気恥ずかしくはあったが、ちゃんと伝えたいと思った。
「はい、もちろんです。
初めて本気で好きになったんです。
ずっと、大切にしたいって…思ってます。」
「ふぅ~ん…そっか…」
「美愛、すげぇいい女だろ?
ふっ…ブラコンで悪りぃな(笑)」
「いや…いい女なんで…」
「見た目とか、言わないでくれよ?」
「それもいい女である理由ですけど、
それはほんの一部なんで…」
「へぇ~じゃあ他の理由は?」
「えっ…!?言わないとダメっすか?」
「あ~、そうだなぁ、3つでいいや、簡単だろ?」
「簡単ですけど、恥ずいっすよ…」
「じゃあ、俺は葵を美愛に
推薦するだけだな、あいつなら
戸惑わずにいくらでもいい続けるぜ」
葵…久しぶりに聞いた名前だが、そういえばあれから美愛とはどうしたんだろう…
「羞恥に負けて美愛を諦めるってこ…」
「んなわけないじゃないっすか!」
「素直で誰に対しても姿勢が変わんないとこ、
自己責任力が高くて省みることができる、
人に誠実で真っ直ぐ、
相手を思いやる優しさ…」
「あ~っ!もういいや!
わかった、わかったって、認めてやるよ、
お前のこと。」