両想い【完】


「ふぅ~ん、大切にしろよ?
どら、見てやるよ。
その間、俺のバイク乗るか?
そうだ、お前、後ろに女乗せたことあるのか?
野郎とは、違うぜ、
なんなら、嫁さん乗せて走ってくるか?」


「えっ?いいんすか?
奥さん乗せて走って…」


「お前の腕は信頼してっし、
近所ぐるっとしてきてみろよ、
腹に腕あるのとか試してみ、
おぉい、里香(りか)ぁ~ちょいきて」


「なにかな?」


颯太さんが里香さんに説明し、快く試乗に付き合ってくれることに。


でも…止めておけばよかった…


ほんの少しの先走った気持ちが…あの涙につながったんだ…ごめんな…


***


颯太さんのと俺のは同じだから乗りやすい。


里香さんはササっと乗ると俺の腰に軽く掴まりながら話す。


「あたしはさ、慣れてるし怖くないし、
大丈夫なんだけど、
彼女初バイクなんだってね?」


「あ~はい」


「じゃあ、もう少し腰をしっかり
持つように言って、体も高城君のほうに、
無理がないくらい、近寄るように
シートに座らせてあげなね、
あと、彼女、小さいならこのバイク
跨ぐの大変だから少し体を支えたげなね」


そして地元を少し走りコンビニでとまり、下ろし方を実際にしてみた。

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