両想い【完】
まず俺が降りて後ろの里香さんを、腰の辺りを少しだけ持ち上げるように支えて、里香さんは俺の肩に手を置く。
「どう?要領わかった?
ちょい買い物してくるから
次、乗せてみてね」
俺に支えられバイクから降りた里香さんは、メットをとり、それを俺に渡しコンビニへ。
直ぐに戻った里香さんを、肩に手を置かせて、わきを手で支えながら少し持ち上げる。
里香さんはそのままシートに座る。
「どう?支え方、腰とかわきとか、
両手でしっかりね、」
「わかりました、ありがとうございます!」
笑顔を交わして、店まで戻った。
このすべてを、山野に見られていて、美愛に伝わっていたことを知るのは明日の昼頃…
***
店に戻り美愛へピンクと白のメットを購入。
颯太さんと里香さんにお礼を言って帰宅したのは7時前。
俺はうきうきしていて、携帯をチェックするのが、10時を過ぎていた。
見たら美愛から6時7時8時と3回、珍しく電話が入っていた。
だが、急ぎならメールにも入るだろうし、8時以降ないのは、用が済んだのかも、なんて考えて、折り返さなかったんだ。
『電話出なくてごめんな、明日、楽しみだな、おやすみ』とだけメールして…