両想い【完】
***
翌日、バイク日和!!
西中央駅のロータリーに9時ジャスト、到着。
美愛はすでに改札口の端に立っていたが顔色が悪く見えた。
「美愛!!」
メットを外し少し声を張り上げて呼んでみると、ハッとして、こちらをみた。
その一瞬…苦しそうな悲しい顔になり、直ぐに笑顔で駆け寄ってきた。
「祐君、おはよう、
これが大切なバイクなんだねぇ、
素敵な色…」
そっとタンクを撫でながら言う。
「おぅ!さっ!!それではバイクデート、
行きますかぁ!」
俺がテンション高く言うとふふふって笑うが、目が少し赤い気がした。
「さぁどうぞ、俺が持ち上げるから、乗りな」
手を腰にかけて持ち上げようとしたら、ビクンっと体が大きく震えていた。
「大丈夫、怖くないから、な?」
「ん…」
次は上手く持ち上がった。
里香さんよりも、かなり軽かった(里香さんすみません)ので楽にでき、シートのなるべく俺にギリのところに座らせた。
そして新しい美愛専用のメットを渡す。
「これ、は?」
「俺からの初プレゼント!
美愛専用だからな」
「……うん、ありがとう」
ニコリと笑う。
美愛?元気ないのか?