両想い【完】
朝から顔色が悪かったし今も笑顔がぎこちない…体調が悪いのに無理して来た、とか?
「美愛?体調悪いか?」
「どうして?」
「いやなんか、疲れてそうな感じが
したからさ、違うならいいんだ、
デートしたいし」
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
「そか?なら、行くか
いいか、ほら、こうやって腕、を…
腰に絡めて、いいか?
しっかり掴まれよ!」
頷くのを確認するとバイクを発進させた。
***
浮かれてたんだ…
美愛…空回りした俺を許してくれる?
***
しばらく走らせ港近くのショッピングモールと、公園がある場所まできた。
バイクを駐車場におき、俺は先に降りると美愛のメットを取ってやり、体を持ち上げて下ろした。
「重たいのにありがとう」
「いや、美愛は全然、軽いよ」
そう言って美愛を見るとまたほんの一瞬悲しそうな瞳をした気がしたが、美愛の携帯が鳴り何も聞けなかった。
「なんだろ、祐君ごめんね?」
断りを入れてから携帯電話に出て話し出した。
「ん、いいの、大丈夫だよ…
きっと、ちゃんと理由があるよ…
待てるよ…大丈夫…
違う…しないで…お願い…」