両想い【完】


「ん、またね、ありがとう」


電話を終えた美愛はしばらく振り返らず、携帯を持ったままだ。


「美愛?どうした?トラブったか?」


後ろから声をかけると余程驚いたのか、ビクンッとして慌ててこちらに戻ってきた。


「大丈夫。真琴ちゃんがね、
デートの心配してくれたの」


「んだ?あいつも暇だなぁ…。
何を心配するってんだ?
まぁ、いいや、アチいし、中に入ろうぜ。」


「うん…」


バイクにメットをしまい、手をいつものように繋ぎモールに入った。


まだ昼飯には早くて中の雑貨屋や洋服屋を見て回ると、美愛の顔も朝より元気になったようで、暑かったからかなぁなんて、思ってた。


オープンテラス付きのカフェに入り少し休憩していると、俺の携帯が震えた。


見ると山野となっていて、間違えたのか?と思いながら出てみることに。


「何か山野だ…」


すると美愛が急に焦りだし私が出ると言う。


別に構わないから渡す。


「真琴ちゃん?何してるの?……
いいよ…だって…大丈夫よ…
今は楽しいから…そう、
だけど……うん、わかった、それだけね?
私は絡めないでね?…はい、祐君に」


なんだか話が分からないが『今は楽しいから』とか『私は絡めないでね』とか、なんだ?

< 174 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop