両想い【完】
「ん、またね、ありがとう」
電話を終えた美愛はしばらく振り返らず、携帯を持ったままだ。
「美愛?どうした?トラブったか?」
後ろから声をかけると余程驚いたのか、ビクンッとして慌ててこちらに戻ってきた。
「大丈夫。真琴ちゃんがね、
デートの心配してくれたの」
「んだ?あいつも暇だなぁ…。
何を心配するってんだ?
まぁ、いいや、アチいし、中に入ろうぜ。」
「うん…」
バイクにメットをしまい、手をいつものように繋ぎモールに入った。
まだ昼飯には早くて中の雑貨屋や洋服屋を見て回ると、美愛の顔も朝より元気になったようで、暑かったからかなぁなんて、思ってた。
オープンテラス付きのカフェに入り少し休憩していると、俺の携帯が震えた。
見ると山野となっていて、間違えたのか?と思いながら出てみることに。
「何か山野だ…」
すると美愛が急に焦りだし私が出ると言う。
別に構わないから渡す。
「真琴ちゃん?何してるの?……
いいよ…だって…大丈夫よ…
今は楽しいから…そう、
だけど……うん、わかった、それだけね?
私は絡めないでね?…はい、祐君に」
なんだか話が分からないが『今は楽しいから』とか『私は絡めないでね』とか、なんだ?