両想い【完】
***
「祐君…電話、終わった?」
少し寂しげな顔で美愛が聞いてきた。
「っ!あ、あぁ…終わった…
……美愛…」
言葉が、上手く出てこなかった…
「ここで、お話し…する?
も少し、人の居ないところに
行ったほうがいいかな…?」
美愛はどんなときでも相手を思いやる優しい女性で、俺はどこまでも情けなかった…
***
公園は日射しも強く、人が居なかった。
ベンチを見つけ二人で座る。
「美愛…」
「祐君、真琴ちゃんから電話を貰ったのは
昨日の夕方…6時前かなぁ…
でね?さっきのお話しを私にしてくれて
……私は祐君には
きっとちゃんと理由があるからって…」
「う、ん」
「でもね、祐君に電話したら
お話し出来なくて
祐君を、祐君全てを
信じているはずでも…
お付き合い経験のない私は
余計な事ばかり考えて…」
「ごめん…直ぐにかけ直すべきだった…」
「今日はいきなりバイクで来てた、から、
真琴ちゃんの言った様子が…
あ、頭の、中に…出てきちゃ…って」
そこまで話すともう涙で続かなくなってしまい俯きながら手で顔を覆う…
「美愛っ…悲しませてほんと、ごめんっ」
「話し、聞いてくれる?」
小さく頷いてくれた。