両想い【完】
「美愛っ!!…ごめんな…」
***
夏の強い日射しで暑かったけど、俺はグッと美愛を抱きしめた。
「祐、君…」
美愛も初めて、背中に回した腕に力が入って、強く、強くしがみつくようにしてきた。
俺もさらに力を入れてかき抱いた。
俺のシャツが美愛の涙で濡れていく…
「俺が、考えなしで…悲しい思いさせて
マジ…ごめんな?
おれ、バイクに乗せれるって、驚くかなって
そんなんばっか考えてて…
注意だけ聞いて、初めてすることは、
美愛に取っとくべきだったんだ…」
「もう…私…大丈夫…
だから、そんなに自分を責めないでね?」
ほんの少し顔を上げて涙声で、潤む瞳で見上げてくる。
「いや、これが逆で
美愛がバイク初めてだからって
誰かに練習とかいって支えられたりして
乗ったり、腰に手を回したりしたら…
今想像だけなのにスゲェ苦しい…
だから、俺がしたことはそんだけ
酷いことなんだ…」
「祐君…祐君?私を見て?」
美愛の肩にうずめていた顔を見えるくらいに引いて、見つめ合う…。
「私を、こんな些細なことに焦って
上手く聞けずに一人でヤキモキする私を、
嫌いになってなぁい?
重く…ない、ですか?」
真っ直ぐに想いを伝えてくれる美愛。