両想い【完】
呼び出し
あれから数週間たったGW前のある日、由紀と二人で昼休みに、放課後は勉強スペースになるラウンジの椅子に座り、俺の誕生日デートをどうするか?話していた。
あれからも由紀と別れることが出来ずにダラダラと付き合っていた。
だが、あの日以降キスも、身体の関係も持ってなかった、というか、出来なかった…。
***
何人かが同じようにテーブル回りに座り過ごしている、ごく普通の昼休みだった。
4、5人の女子の集団がその横を通り過ぎようとしていて、何気なくみると中心には固い顔をした美愛がいた。
周りの女子は怒りの表情を見せていて、雰囲気がヤバい感じだった。
俺はガタッと椅子を鳴らして思わず立ち上がってしまった。
「?祐君?どうしたの?」
由紀が不思議そうな顔で俺に話しかける。
「…あっ…いや…何でもない…
悪いな、話の途中で。んで?
時間だっけか?…」
ストンっと座り直し、無理矢理由紀へと向いて話を続けた…
が…ちゃんと会話になっているのか、今何を聞かれてるのかわからないままで…心は美愛が消えた階段を意識し、側に駆け付けたい…!っていう思いで一杯だった。
俺には何にも出来ないのに…俺は関係ないのに…。