両想い【完】
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他の旅行グッズも買って、パスタやでランチしてると視線を感じた。
美愛も感じたらしく、キョロキョロしてる。
「美愛も感じた?誰だ…?」
すると、女が二人俺らの席の横に立った。
見上げてみるが、見覚えはなかった。
「おひさしぶり、あなた、
光輝さんの妹さんだったわよね?」
「ここでお答えしないといけませんか?」
ん?珍しく美愛が固い表情と、普段はしないような受け答えだ。
「なんか、イヤな感じの子ねぇ、
やっぱりあれかしら、
親が医者だと自分も偉そうになるのね?」
「私の性格と親の職業は
全く関係性はありませんし、
医者=偉いとされてるあなた方の
偏見を押し付けないで下さい。」
「なっ!?失礼な女ね!!」
わめく女を無視して帰る仕度をする美愛。
「祐君、ごめんなさい、騒いでしまって
祐君は終わってるから、もう出てもいい?」
「あぁ、もちろん、行こう」
俺はさっと立ち上がり美愛の手を引き店を出るために会計を済ませる。
その間も二人の女は『生意気』とか『金持ち…お高くして』とか騒いでた。
美愛は店を出るときに「お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした」と頭を下げて、店員に微笑まれていた。