両想い【完】


***


少し歩きベンチに座る。


ひじを膝につき、顔を両手で覆っている。


俺は隣から背中を撫でながら話せるようになるのを待つ。


「ふぅ…祐君ありがと…
お父さんが大学病院に勤めていて
お兄ちゃんが医大生だから、なのかなぁ?
ああして近づく人がいるの…」


「理由ってか、何が目的なんだ、あいつら」


「なんだろね…教授、医大生、その家族…
知り合いになったら利益になるって
思うのかなぁ…お友だちになりましょう
とか、お兄さんに紹介してとか…
さっきの人はきっと少し話を
したことある程度の知り合い…」


「それなのにね?
父親が医者だからその力で医大生に
なったとか、とりあえずで医大生
やってるんでしょって…
お兄ちゃんの志を聞きもせずに
決めつけるの、いつも、みんな…」


「光輝さんも大変なんだなぁ…」


医者の家族っていうだけで偏見あるって…


***


「あぁあ~っ、せっかくのお買い物デートだったのにぃ…」


「それじゃあ…あまぁ~い匂いの、
あそこに行きましょうか?お嬢様っ(笑)」


「!行きます!!」


手を繋ぎあまぁ~い匂いのする、ゴデ○バのカフェへ…ここのチョコラテが美味いんだ…



 
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