両想い【完】
「おぉ~美愛ちゃぁん、講習以来じゃんかぁ、元気だったぁ?」
聡が直ぐに反応してくれ、声をかけてくれた。
「うん!元気でしたぁ、聡くんは?」
「おぉ~元気なかったよぉ~実はさぁ…」
「美愛、聡の嘘話はほっとけ、おら、
みんなに紹介すっから…」
手をほどき肩を抱き寄せて、ニヤニヤしてるみんなに向き直る。
「…こいつ、前に話してた美愛…」
俺はほんと複雑…みんなに自慢して回りたいくらいのイイ女だけど、だからこそ、誰にも会わせたくないっ…
「うわぁ、聡が言ってたけど、
マジ可愛いんだなぁ~
すげぇスタイルいい…」
「俺が颯太ね~よろしくぅ…
おっ?食い物?」
颯太さんと握手しながら手土産を渡してる。
「野菜チップスなんです、
よかったら皆さんでつまんでくださいね」
「へぇ、ありがとう、そこ、座んな」
折り畳みイスを進められ、俺を見上げる。
「ん、座ろっか、それ、美味いっすよ」
イスには俺が座り、俺の右足に腰掛けさせ、右手で腰を支える。
「祐君…あ、の…私はこのまま、かな?
恥ずかしいって思うのは私だけ?」
不安定なのか美愛の左手が、俺の背中でシャツをつかんでいる。
そして俺の耳元で赤い顔しながら聞いてくる。