両想い【完】
「ヒュー♪」
「うわぁ…これ祐?」
などいろいろ言ってる。
でも、構わない。
結局美愛は降りるのを諦めて、そのままでみんなの話を聞いていた。
俺らはいつものように、バイク話で盛り上がり、美愛は俺をニコニコした笑顔で見る。
話しに耳を傾け分からないことは、そっと小声で俺に聞いたり…
初めての場所や人の中でも、たとえ話が分からなくても、つまらなそうな態度もなく、自然にそこに居る美愛…
今まで女を、バイク関係やダチに絡めなかったのは、鬱陶しいと思っていたし、煩くされるのが嫌だったからだ。
でも美愛は違う。
そこに居て俺を安心させてくれて、周りと楽しませてくれて、俺が美愛に気を遣う心配がなく、楽に過ごせた。
「ここにはさぁ、あんま、
女は連れてこないんだよ、みんな。」
幸也(ゆきや)という、先輩が言う。
「でもなんだろ、美愛ちゃんは煩くないし、
馴染んでるし、祐、なんかいいなお前ら
すげぇ合ってる…悔しいけど(笑)」
「ほんと、ここに誰かが彼女連れてくっとさ、
これって何?誰?とか割り込んだり
必ずイラッてなる瞬間あんだよな」
「それ、ねえもんなぁ」
拓海(たくみ)さんと颯太さんも言う。
なんだか皆に認められ嬉しい日だった。