両想い【完】
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由紀に集中できないまま、チャイムがなり由紀は移動教室だからと急いで戻っていった。
俺は、S2とS3が見えるように、階段の端によけて、携帯をいじりだした。
さも、それがしたい事のように…。
俺のクラスに教師が入ろうとしてこちらを見た。
「おら、高城入れっ、授業始めるぞ!!」
声をかけられ、仕方なく教室に入り席についた。
美愛はあれから見かけなかった。
ずっと教室入口を見ていたんだから分かる。
まだ、戻ってないはず…。
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今日は、理系のSは7時間目があるがLクラスの由紀は6時間で終わり。
すでに授業が開始されてる教室の後ろの廊下窓から俺をみつけ、バイバイと手を振りながら由紀は帰っていった。
この時間はレベル別数学で、2年4クラス全体で分けられ、実は美愛、山野、聡らと一緒のレベルⅠクラスだった。
数学だけは、俺は得意だったんだ。
レベル分けテスト後、クラスが一緒になることが分かり、山野らを間にして少しは会話をするようになっていた。
まぁ、挨拶とか宿題どう?とか…でも、俺にとっては嬉しい時間だった。
そして、話すたびに惹かれていき、笑顔にドキドキし、触れたいと思っていた。