両想い【完】
まだ午後3時を過ぎたくらいだったので、予定通りに湖にでかけることに。
人工湖だが、もともとそこには池があって、そこを整備したんだって、パンフを見て美愛が教えてくれた。
爽やかな風が吹いていて、暑さはあまりなくて、いろんな事を話ながら散歩した。
***
ホテルに戻り美愛はエステチケットでネイルをやってもらいに、俺はジムにいってみることにした。
***
2時間くらいでロビーにあるソファに戻り、美愛を待ってると、女性の、たぶん美愛の声が聞こえて振り返る。
「ほんとに、すみません!私には一緒に来ている彼が居ますからっ…」
速足に、横を歩く外国人男性を嫌がりながら、キョロキョロと俺を探す。
「祐君っ!!」
今にも泣きそうな顔で俺の方に走りよる。
「美愛…大丈夫か?」
抱き寄せて、ついてきた男性を睨む。
美愛は俺の腕の中でなるべく深く入ろうというように体を押し付けてくる。
微かに震えていた。
「なんか、迷惑かけましたか?」
「オォ~メイワクナイデス…
ステキ、レディネ
アイサツシタデェス、
カワイ~ツタエタ、ネ」
早口で言うと悪びれることなく笑顔で行ってしまった。
「大丈夫か?何があった?」
ソファに座らせながら聞いてみる。