両想い【完】
すると、美愛が山野を気にしながらも立ち上がり、しっかりした声で話し出す。
「祐君、私が話すね。
彼女は、暁人君と自分がお付き合い
してるって、夏休み中にそうなったって…。
暁人君と彼女の間のことは分からないの
でも、真琴ちゃんが叩かれる理由には、
ならないとは思うけど…」
俺は教室にいる他のやつらもこっちを注目してるのがわかったし、これ以上はまずいと思い、いったん話を切ろうとした。
「俺と暁人で職員室行ってくる、日誌。
で、下駄箱集合な?
話、後でちゃんとケリつけよう。」
騒ぐ女にそう言うと暁人と二人で先に出た。
***
「暁人…お前、山野と夏休みに
かなりいい感じになってきてるって、
言ってたよな?ありゃなんだ?」
「悪りぃ…マジで…。
あいつは夏前から俺んとこきて
彼女にしてって、しつけぇんだ。」
「でも俺は真琴ちゃん好きだから
かなりキツく断ったんだ、
何回も来るたび、さ…」
「んで?」
「それが、…夏休みに1回、
ゲーセンでダチと居たときに会ったわけ
で、俺はイヤでそっけなくしてたんだけど、
ダチが恥ずかしいからとか、
勝手に勘違いしやがって…」
「で、そんときに真琴ちゃんにって、
Mのイニシャルのついたクマを取った後で。」