両想い【完】
「あぁ、それは、悪りぃな、
心配させて。
真琴ちゃんへの指輪を買うのに
どの指に買うべきか、とか、サイズとか、
美愛ちゃんにアドバイスもらってただけだ。」
***
下駄箱を出たところで嫌な空気の3人がいた。
***
「お待たせ」
俺は美愛の手を握り引き寄せた。
反対側には山野が立っていて、その山野を隠すように、暁人が例の女との間に立つ。
俺達が来るまで、あまり話しもしないで待っていたようだった。
「えっと、名前…鈴木さん?だっけか…」
「!酷いよ、暁人君…
鈴野未来(すずのみく)だよ…
そんなに冷たくしないでよ…」
「冷たくしてる訳じゃない、俺は鈴野さん、
君と付き合っているつもりはないし、
あのゲーセンの時はダチの勘違いだ。
クマは真琴ちゃんのために取った物だ。
そして、君とはこれからも
付き合うことはない、わかってくれ…」
暁人は怒った感じはなく真剣に向き合い話をしていて、さすがの鈴野という女子も、黙って聞いている。
「で、鈴野さんが真琴ちゃんを叩いたのは
納得いかないし、許したくない…けど…」
そこまで話すと後ろを振り向き山野の顔を伺ってる。
「真琴ちゃん…暁人君の気持ち、
ちゃんと聞けてよかったね。
鈴野さんのことはどうしたいかな?」