両想い【完】
***
誕生日まであと5日
朝、電車でいつものように待ち合わせ、美愛が来ると顔色が悪い。
「美愛?どうした?」
「ん?大丈夫だよ。少しだけ貧血なの 」
「無理すんなよ?
ほら、俺に体重かけとけ…」
学校まではいつもより気持ち遅めに歩く。
四時間目、教室移動で歩いてたら山野に付き添われた美愛が体操着で歩いていた。
「美愛っ!どうした?」
「あぁ祐君、美愛は大丈夫よ、
そんな騒がなくても。」
「でもっ…朝より顔色悪りぃし…」
すると美愛が俺を手招き何かを伝えようと耳に口をよせてくる。
「あのね…大丈夫なの…
女の子だから…大丈夫…」
???…
!!分かったっ!
「あ…そ、そうか?でも、無理はすんな?
帰り送るからな?」
保健室に見送ると聡が話しかけてくる。
「何?体調悪いの?
お前さぁ『初』無理かもな、土曜…ククッ」
「おまっ!!」
何を言われたか理解し、何か言おうとするが何も言えなかった。
もし、無理なら…体調なんだ、これは仕方ない…悔しいけど我慢だなぁ…
少し気落ちした俺は放課後は美愛を支えながら下校し、早く休むように言って寄り道もせずに帰宅した。