両想い【完】
今は伝わらなくても、こちらがいい加減でなければ、必ず相手には想いは伝わる…そう信じてるの…。
「ねぇ…あんたってほんと、
何様のつもりよ!
孝に思わせ振りな態度するから、
いつまでたっても孝があたしを
見てくれないじゃないっ!!!!」
4人に囲まれながら、私は話している先輩を視線を反らさずに見つめ返していた。
「うわぁ~、何か生意気な目付きだねぇ~」
「ほんと。こんな子が告られてるとか、
男、騙されてんじゃんね?」
孝さんとは、私に2週間前告白をしてくれた佐藤先輩だ。
他の3人も、顔をしかめながら次々にいろいろと言ってくる。
騙しているなんてそんな気はないし、私の気持ちが待ってれば向くなんてことは、一言も言ってない。
真剣に佐藤孝さんという一人の人に向き合い、尊敬の気持ちだけだと、伝えたのだ…。
パンッ!!
「なんとか言いなさいよ!!」
孝さんを好きらしい先輩が、私の左頬を叩きながらまた、叫んだ。
きれいに頬に当たり、私の左頬はジワンっと熱と痛みを持った。
それでも私は目を反らすことはしなかった。