両想い【完】


「美愛…誕生日おめでとう
この日に一緒にいられてすげぇ嬉しい」


そう話ながらテーブルにプレゼントの小箱を出して、ススッと美愛の前に押し出した。


「祐君…ありがとう
私もこの日を祐君と一緒に過ごせて、
それが何より嬉しい…」


「それ、プレゼント…」


「ありがとう!!…開けていい?」


箱を大切そうに両手で包み込むように受けとると満面の笑みでそう言った。


「もちろん、気に入るといいけど…」


シュルッとリボンをほどき、そっと箱を開ける美愛…開けて視界にピアスが映ったであろう瞬間…ポロポロッと涙がこぼれた。


「素敵…ありがとう…」


ピアスに見入る美愛をじっと見ていた。


「そんな、眺めてないで、付けてみたら?」


あんまりうっとりとしてるので、声をかけてみると、ハッと我にかえり『うん!』と早速付け替えていた。


アップにしていたので耳がよく見えて、ピンクのハートがよく似合う。


「どう、かな?」


遠慮がちに聞いてくる美愛に『最高に可愛い』というと真っ赤になり下を向いてしまった。


それからデザートを食べてお店の人にお礼を言ってホテルに向かった。


暑さはなくなり、心地よい風が吹いて、ゆったりと散歩してホテルについた。



< 233 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop