両想い【完】
「私の、気持ちの伝えかたが上手くなくて、
佐藤先輩を困らせているのなら、
明日、またお話しに行かせて貰います。
でも、それと、
佐藤先輩と先輩方との間のこととは、
別のことです。」
「っ!!…生意気なんだよ!!偽善者のくせに!!」
他には上手く言葉が出なかったようで、私の肩をドンッと押してからそのまま校舎へ戻っていった。
押されてふらついたまま、先輩方が居なくなるのをぼ~っと見ていた。
しばらくして、周りに誰もいない静かな空間にホッとし、階段に崩れるように座り込んだ。
いろんな感情が溢れてきた。
誰のことだって傷つけたくない…
それは偽善者…?
わがままなの?
解って欲しいよ…
笑いあいたい…
告白は嬉しかったの…
優しいってわかって幸せだった
女子の先輩だって、ただ好きなだけ…
頬が痛いよ…
涙がポロポロポロポロ…止まらない…
……私のしてることは間違ってる?
他の人を傷つけている?
自分の気持ちを心に問い、相手に向き合う、それはいけないこと?
どうか、私の真剣な思いが、佐藤先輩やあの、女子の先輩方にも、いつか届きますように……
***美愛視点end***