両想い【完】
「聡っ、俺…3ヶ月以上
今現在も彼氏で、美愛の全て知ってるけど
俺以外のアトなんて全く見たことないね」
『全て』に含まれるいろんなものは、話の流れからだいたい想像ついた様子の外野。
「だよな?俺も祐以外は知らない」
ぐるりと見回しながら聡が続ける。
「だいたいさぁ、
女子は事実をねじ曲げすぎだし、
男子がこんだけ美愛ちゃんに
惹かれてんのは男子が
美愛ちゃんのほんとの魅力を
わかってるからであって、
その美愛ちゃんをけなすのは
俺ら男子達をバカにしてんだぜ?」
男子からは『そうだよな』『俺らを見下してる』など聞こえ、女子は『……』無言。
「実際、さっきあんたは
祐を『たいしたことない』っつったんだし、
そうやって人のこと蔑んだりしてさ、
実のところは自分の価値を下げてんだ
いい加減頭悪りぃこと止めろよな」
かなり思いきり言いたいことを言ってくれた聡だが、外野の男子からはヨクイッタぐらいの視線を感じ、女子は羞恥を感じたのかうつむいてる。
「さっ、もう分かったろ?
美愛ちゃんはあんたの言うような子じゃ
…ない!!
はい、解散~」
パンパンと手を打ちながら聡がみんなを散らして打ち切る。