両想い【完】
俺は結構早くからお化け屋敷の組み立てのために学校にいた。
文化祭が開始になっても、仕掛けが上手くいかなかったりで手直ししていて、自由になれたのは10時過ぎ。
既に一般にも開場したあとで、校内は人が増え続けていた。
***
「ようっ!祐じゃん、お前んとこ、は…
お化け屋敷なのね(笑)
後で行くな~」
なんて会話を何回もしながら、食べ物を扱うフロアに行く。
火や電化製品を使うクラスは、家庭科調理室など特別教室がある2号棟のほうにまとめられていた。
美愛のクラスは3階の真ん中あたり。
廊下を進むといろんな食べ物の匂いや並ぶ列、まだ昼には早いが以外と賑わってる。
ピンクと黒の装飾がされたクラスの前にはテイクアウトの窓口と、室内で食べるのを待ってる列があった。
***
人混みを分けて中を覗くと、笑顔で飲み物を運ぶ美愛がいた。
運び終わりバックヤードに戻ろうとする美愛に声をかけると、パッとこちらを見てこぼれそうな笑顔で駆け寄ってきた。
「祐君!お疲れ様~
直し、終わったの?」
「おぅ!やっと開店した、疲れた~
癒してくれる?」
「?ジュース飲む?」