両想い【完】
「いや、それじゃ癒されないなぁ」
「?どうすればいい?」
「美愛からキスして?」
俺は美愛の耳元で小さく呟く。
!!!!バッと俺から離れる美愛(笑)
「クククッ…美愛真っ赤~」
「ゆ、祐君がっ、変なこと…
じゃないけど、言うからっ…」
「変じゃないならいいじゃんか~」
そんなんして、じゃれてると、美愛のクラスメイトが『悪いけど働けぇ』と笑顔で言ってきて、美愛は慌てて戻った。
俺は美愛との約束の時間までそこら辺をぶらつこうかなと、クラスを出ようとした。
チラリとバックヤードを見ると聡がいたので、声をかけてからと思い、近くのやつに『悪りぃな』と言いながら入る。
「聡っ」
「おぅ手伝ってくれんの?」
「はぁ?まさか…朝も早くて疲れてんの」
「ハハハッ冗談だって♪」
手を動かしながら俺の相手をしてくれる聡。
完全な裏方の聡とは違い、美愛はここから見てると注文を受けて出たり入ったり、あと、テイクアウトの方に売り子に行ったり忙しなく動いてる。
「女子は大変だよ」
それとなく目で追っていた俺に聡が言う。
「昼んなったらまた迎えに来るからさ」
そう言ってその場を離れようとした。