両想い【完】
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時間になり、美愛を迎えにいくと、既に廊下にはハンカチ男も相模もいて、二人は『離れろ』とか『もう帰ろう』とかもめてた。
俺はため息をつき、教室を覗く。
美愛は笑顔でまだ飲み物を運んでいたが、『これラスト♪』と俺に言って、運び終わるとバックヤードに戻って身支度をして廊下にいる俺の元にかけてきた。
「お待たせしました!
ただ、少しだけ話しに付き合ってね?」
「お疲れさん、
当たり前だろ?他の野郎と一緒とか
ヤだしな」
美愛の手をとり、騒いでる二人の前に立った。
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部室棟のほうまで四人で無言で移動した。
何で相模?とは思ったが、めんどくせぇから言わなかった。
人の少ないここなら、さっきみたいな話もまぁ、出きるだろう。
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「井上さん、さっきは忙しいのに、
騒いでしまって悪かったな」
そう話したハンカチ男が頭を深くさげたので、美愛は驚いている。
「いいえ、大丈夫ですよ、
もとから騒がしい文化祭の最中ですし
ハンカチ、ほんとにわざわざ
ありがとうございました
実はあれ、大好きな柄で
だから、ほんと嬉しくて♪」
「あんとき、子供が見えてなくて
アイスがズボンに付いたときは…
さすがに焦ったし…」