両想い【完】


「真っ!止めてよっ!!」


相模が叫んだ。


が、河野は無視し、じっと美愛を見る。


「思いを寄せてくれてありがとうございます
でも、私には最愛の彼が、
この人が居ます。
どんなことがあっても誰がきても
離れることはないんです…。
思いには答えられません。」


真剣に自分の思いを伝える美愛。


熱い俺への気持ちに心身ともにたかぶる。


「そっ、か…
うん、……分かった…分かってた…
ちゃんと受け止めてくれて…ありがとう…
これで諦められる…はず…」


悲しみにくれた顔だが、瞳にはスッキリとしたって雰囲気もあって、まぁ、こいつはこれで大丈夫かな?と思えた。


「なによっ!!偉そうに…
何が『離れない』よ!」


余程河野が好きなのか、ただの意地なのか…もはや分からないが、こいつはまだ、吹っ切れずにいるようだ。


「相模だっけか、お前うるせぇよ…
いい加減に俺らに構うなって言ったよな?」


「そうだよ、話に入るな
葉香には関係ないだろう。」




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