両想い【完】
「でも、私は相模さんを嫌いではありません」
ニコリとしながら美愛は続ける。
「私が幸せな顔をすることで
相模さんを苦しめるのは
私も辛いです…
祐君?私が幸せってへらへらしてたら
これからは真顔になるように、
注意してくれる?」
「それはヤだね、
美愛が真顔で笑わないとか
俺が苦しい」
「ん~、そっかぁ
じゃあどうしたらいいかなぁ?
相模さんの見えるところに行かない?
祐君と仲良くするのも
周りに良くないみたいだし…
カレカノって見ていて温かく幸せって
感じるばかりではないんだね…
なかなか難しいなぁ」
美愛は本気で、相模の言い分になんとか自分が出来ることはないかと、あんなただのやっかみに頭を悩ませる。
「…あんた、本気で考えてんの?」
相模が呆れた顔と声で美愛に尋ねる。
「??もちろん、だって
相模さん、心が痛いんでしょう?
私のすることでもしかしたら、
ほんの少しは楽になるかもだし…」
真剣に相模に向き合う美愛。
端から聞いたら馬鹿げた内容だよな、自分は彼氏と上手くいかなくなって、その元カレが新しく好きになったのが、学校のイチャイチャカップル女だから、なんか憎たらしくて嫌がらせした…はぁ~……