両想い【完】


相模はここまできてようやく、美愛が自分の思ってた女と違うと、気がついたようだった。


「あんた、頭の固い真面目ちゃん
だったのね…なんか、調子狂うわ…」


「えぇ~私は真面目じゃないけどなぁ」


「もういいわ…
言いたいことは出し尽くした…
なんか、馬鹿らしくなってきたし…
真…しつこくしてごめんなさい。
なんだか、めちゃ悔しくて…
高城君、この間は迷惑かけてごめんなさい。」


力が抜けたような声で河野、俺と、順番に謝ってから美愛を見つめる。


「井上さん…あなたって…
もっと軽くていい加減だと思ってた…
…噂も全然違ってんだね…
そもそも噂してたのは女子ばかりで
やっかみってことなんだね…きっと
あたしみたいに…ハハハッ」


臥せていた目を美愛に合わせ『悪かった』と一言いうと、さっさと校内に戻っていった。


「美愛さん、なんか、葉香が…したのか?
だとしたら、悪かった…
今日はありがとう…
俺ももう行くな…」


河野も軽く頭を下げると帰っていった。


美愛は急に結末をむかえ、結局何もしなくてよくなったことにキョトンとしたまま(笑)。


「みぃあっ!!
俺腹へったぁ…買っといたやつ
あっちで食おうぜ♪」





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