両想い【完】


***


「ん~…祐君…
話し…上手くできたのかな?」


俺と手を繋ぎながら簡易ベンチに空いているところを探し座る。


「あぁ、ちゃんとみんな、
納得して帰ったんだ
上手くいったってことだろ?」


「河野さんは、うん、
納得してくれたの、分かったよ
でも、相模さんの嫌な気持ちは?」


「美愛が、あんなに嫌な気持ちに
させられたのに、真剣に
相模の思いを受け止めて
どうにかしようとしたから
それが伝わったんだ
だから、もう大丈夫、な?」


「じゃあ…相模さんの前でも
私は私のままで、祐君とも
幸せでいていいの?」


「そっ、いいの。」


そう言って笑いかけると、キラキラ笑顔で返してくれた。


「よかったぁ~」


小さな声で呟きながら焼きそばを食べる美愛。


その無邪気に食べてる顔だけで、俺はほっとして癒されていく。


***


文化祭初日はそんなこともあったが、大きな問題もなく、それぞれのクラスも客は順調に入りまずまずだった。


明日はMr.&missコンだ。


俺と聡、美愛と相模以外にそれぞれ3名いるが、どうなるかな。


簡単な片付けをし、いつものように手を繋いで下校した。




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