両想い【完】
文化祭2・コンテスト
いつもの様に手を繋いで登校すると、なぜか駅から学校まで、さらには校内でもジロジロコソコソ…。
今までも俺と美愛は見られてはいた。
だが、今日のはすごすぎる…。
「祐君…私…どこかおかしい?」
美愛が心配そうな顔で見上げてくる。
「イヤ…大丈夫…
でも、なんだろな?」
***
別れてクラスの出し物教室へ向かう。
まだ、ジロジロ見られている。
ったく!なんだってんだ…
イライラしながら教室に入ると、暁人がかけよってきて叫ぶ。
「祐っ!お前と美愛ちゃんっ!!
ダントツ1位独走中~スゲェなぁ」
「なにが1位なんだよ?
この周りの視線、イテェ…」
「何って…お前…
コンテストに決まってんだろ~がっ!!」
「はぁ?俺らが1位?
3年の先輩は?」
「いや、お前らが1位。
いやぁ~スゲェなぁ~」
イタイ視線の理由はコンテストのnet速報か…
余計なことを生徒会もするなぁ…ったく。
美愛、大丈夫か?
きっと騒がれてんだろうけど、山野いるからなんとかなってるか?
誰かが状況の分からない俺にスマホで見せてくれた学校のホームページ…
ほんとだ…男子は俺、女子は美愛が1位になってる。