両想い【完】


「第3位男子、2年S2、栗山聡太郎さん!」


ワァ~パチパチパチ!


聡はそのまま3位だった。


名前を呼ばれ愛想よく手を振りながら並ぶ。


「第2位女子、3年L1、……」


女子は4位と3位が入れ替わったが、5位の相模と2位の先輩はそのままだった。


と言うことは…必然的に美愛が1位だ…。


「第2位男子、3年S4、………」


男子は5位と4位が入れ替わったが3位の聡と2位の先輩はそのままだ…って!俺、このまま1位か!?


「さぁ~皆さん、もう、お分かりですね~
今年度後森祭Mr.&missコンテストの
第1位はっ!!」


ドラムロール音がさらに激しくなりご丁寧に俺と美愛にスポットライトまで当てている。


「女子っ、井上美愛さん!!
男子っ!高城祐さんに決定ですっ!!!!」


その途端に大歓声と拍手がおこり、俺と美愛は他の候補者が下がり誰もいない舞台中央に立たされる。


「えぇ~、では、お二人には
賞品の食堂券を差し上げまぁす♪」


少しして司会者がそう言うとやっと会場も落ち着いてきた。


やっとこの見世物状態から脱出出来ると思っていたら、司会者がとんでもないことをいい始めた。





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