両想い【完】
「ありがとう。祐君…ほんとありがと!
でも、これも大事なことだから…
忘れるのは止めとく、ね?いいかな…?」
「ん、そっか、やっぱすげえな、
もちろん俺はいいよ。
美愛ちゃんが頑張ってるの、
俺らは分かってる、真剣なのも、な?」
「…いつか…私の過去の…
ちょっとしたお話し、聞いてくれる?」
「あぁ、いつでも聞くよ。
傍にも…いるから…無理すんなよ、な?」
「嬉しい…パワー貰えた…
祐君、私を探してくれて、傍にいてくれて、
ほんとにありがとう。」
ペコリと頭を下げてから、涙の止まった顔で、とても綺麗に笑ってくれた。
周りには動き回る生徒が結構いて、俺達をチラッと見るやつもいたが、今は全く気にならなかった。
二人の、この階段の空間が心地好かった。
『はぁ~!』と伸びをしたあと美愛が立ち上がった。
「うんっ!!もう、大丈夫っ!!」
「よしっ!!帰るか!」
俺も立ち上がり鞄を持った。
「あっ!?靴…」
「ほんとだ(笑)」
二人で笑い合い下駄箱に向かった。