両想い【完】
顔を上げた拍子にぽろりと頬に涙が落ちたが、美愛の表情は暗くはなかった。
「ううん、大丈夫なの。
なんだか、極度の緊張で…
張り詰めてたみたいで…終わったぁって
安心したら勝手に、だから大丈夫」
言葉の通りのようで、泣き出したわけではなく、笑いながら俺に寄り添うから俺も笑って肩を抱き寄せる。
「まっ、1位は素直に喜んでおこうぜ。
で、キスまでしたんだ、
校内では完全な公認だろ、
もう、告られたりとか、なくなんだろ」
「うん、1位は嬉しい♪皆に感謝!
もう、祐君が呼び出されたりとか…
なくなるといいなぁ~」
「それはお互いだろ?」
しばらくすると閉会したらしく、廊下も騒がしくなり教室へ移動し始めた。
「じゃあ、また後でな?
下駄箱でいいか?」
「うん、お願いします♪」
俺達もクラスメイトに合流し、からかわれながら教室へ。
***
簡単な片付けをしてゴミを出したり…残りは明後日にやることになって、解散した。
明日は月曜だが、代休。
昼からでも、どっか、デートすっかなぁなんて考えながら下駄箱で待つ。
美愛と来月はクリスマスだなんて話ながら帰宅した。