両想い【完】
***
「美愛ちゃん、今日は試合を
見に行ってくれてありがとうね
あなたが居てくれたから
さっきも助かったわ」
「そんな、薫叔母さん…
私は何にも…
試合は来てよかったよ(ニコリ)」
食事をしながら叔母と姪がおしゃべり。
葵はそんな美愛を見つめ優しげに微笑んでいた。
諦めるの、難しいなぁと思いながら。
***
「じゃあ、今日はありがとな
また連絡すっから
高城さんに吹っ切れたからって
伝えといてよ」
「うん、祐君にそれ言うと伝わる?」
「あぁ、大丈夫」
「さぁ、美愛ちゃん着いたわ
今日は疲れたでしょう?
よく休みなさいね」
美愛を車から降ろし、葵親子は帰っていった。
***葵と美愛視点end***
『祐君、葵君の学校負けてしまったの、
でもみんないい顔でした。
葵君から伝言→吹っ切れた、だって。
私は祐君だけを好きですって
ちゃんと伝えたからね?
早く会いたい、バイト頑張ってね』
そんなメールに気がついたのはバイトの休憩中だった。
『吹っ切れた』かぁ…まぁ、俺には何にも言えないけどな。
早く本当の意味で美愛を吹っ切り、誰かを好きになれることをそっと願わずにはいられなかった。
俺も会いたいと強く思いながら、残りのバイトをやりきった。