両想い【完】


「いや?全く…してないけど?」


そう言うと、『うんうん…だよねぇ…』と思案顔だ。


「美愛…どうかしたか?
実はさ、俺からは元気なく見えるんだよな…
それも今月頭から少し…」


「あ、そう…
そこは気が付いたのね…」


山野は考えながらゆっくり話す。


なんか…いやぁな予感がするんだけど…。


「祐君さぁ…バイト、増やしたの?」


「えっ?…ん、あぁ…」


「ん~、美愛の話からすると
それくらいなんだよねぇ…
落ち込み原因は。」


「バイト…X'masのためってか、
月曜も入れて、夏休みと同じ5時から」


「祐君は寂しくないの?
美愛はいろんなやつに、まぁ、
最近は男女問わずね?
誘われて、大変なんだよぅ?
そんな、X'masのカッコつけで
美愛失っても知らないからね」


それだけ言うと、『じゃ』っと予鈴と共にクラスへ戻ってしまった。


いろんなやつって誰だっ!


美愛は俺んだって分かってるはずなのに…。


それに、X'masに休みを貰うために、既に決まってるシフトを変更出来ないんだよ…。


美愛…寂しいから元気ないのか?


俺にはそれを言ってくれない…いや、言えないんだよな…ごめん。



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