両想い【完】


***美愛視点***


11月の終わりから祐君はバイトを増やした。


私は…寂しいけどきっとX'masのためだって分かるから、何にも言えないの。


夏の旅行で、家の親に甘えた形になったって最近も気にしていた…。


でもその後の誕生日は、とても素敵に御祝いしてくれた、私はもう十分過ぎるって思うのに…


私は…場所や金額ではないって、思っているけど、恋愛経験がない私は『恋人』の感覚がよく分かってないみたいで。


カフェでお茶するときやデートの食事なんかも『俺がイヤなの』と私が自分の分を出すのも嫌がる。


私はバイトをしていないから、素直にありがたいと感謝するけれど、それでも心苦しいのは変わらない。


いっそ、私もバイトをしようかな?


***


12月20日から私は短期のケーキ屋さんの売り子をすることに。


毎日午後5時から、12月24日の夜8時まで。


5日間だけだけど、人生初バイト!


頑張ります!!


***


前日の19日の昼休みに私は初めて祐君に話した。


「あのね、明日から5日間だけ、
私もバイトすることにしたの
一昨日面接でね…
夕方5時から8時までなの」


それを聞いた祐君は、無表情とも言える冷めた目で私をみて、しばらくしてから返事を返してくれた。





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