両想い【完】
「美愛…俺が悪いのは分かってる…
でも、美愛も…
言いたいことあったんだろ?」
覗き込むと『ある』と呟く。
「じゃあ、今、ちゃんと聞くから…」
美愛は顔を上げて俺の方を向いた。
「祐君が…バイトを増やした時に
寂しいって言いたくて、でも…
二人の為に頑張ってるって解るから…
飲み込んじゃった…そしたら、
次から素直になれなくて…」
ミルクティを飲んでまた、話し出す。
「私も時間をバイトで使えば、
お小遣いも増えるし寂しくない…
それに、普段から頑張る祐君のこと、
ほんの少しは理解出来て、それから
ありがとうを言いたかった…」
「私はバイト代がなかったから
お出掛けでお金を出してもらうたび
申し訳ないって、感じてた…
だから、毎回でなくても…私が
大丈夫な時は払わせて欲しい…」
そう言って目に力を込めるから、了解の意を込めて頷いた。
「今日の、ランチの話は…
たとえ真琴ちゃんが間にいても
祐君からも連絡が欲しかったよ…
私…下駄箱で…もう、隣に…
傍に…居られないのかもって
本気で思ったくらいに
遠く感じて…あんな、酷い態度…
ごめんなさい…」
項垂れて謝る美愛…。