両想い【完】


花宮ショッピングモールのイルミネーションはTVでも取り上げられ、かなりキレイってはなし。


学校帰りの時は全てが点灯していなくて、だから、今日観に行こうって話になった。


電車を降りるとかなりの人で、危なっかしいので、肩を抱き寄せ歩くことに。


一階の吹き抜けのホールに巨大なツリーが飾ってあり、シルバーとメタリックブルーで確かにとても綺麗だった。


美愛は『うっとり』って表現が一番ぴったりな顔をして、大きなツリーを見上げている。


俺は美愛を後ろから抱き締めるように立つ。


しばらくするとツリーの横にあるピアノが音をたてる。


見ると男性ピアニストがX'massongを弾いているんだ。


ますます雰囲気も盛り上がり、美愛も、周りのカップルたちももちろん俺も、この瞬間(とき)を心から楽しんだ。


ピアノの曲がX'massongではなく、クラシックの優しいメロディにかわったところで、俺は美愛を振り向かせて、ポケットからプレゼントを取り出す。


「美愛、merryChristmas…
これは俺から…」


「merryChristmas…
ありがとう…祐君」







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