両想い【完】


「これは私から心を込めて…」


バッグから小さめの包みをだして、渡してくれる。


「じゃあ、一緒に開けようか」


ツリーから少しだけ離れ隅によると、壁に寄りかかりながら互いのラッピングを剥がしていく。


俺は美愛より先に小箱を開ける…中には黒のカッコいい二つ降りの財布が入っていた。


今まで長く使っていたのに似ていて、使いやすそうで、前に俺が『このカード入れとかポケット数とか気に入ってる』と言ったのを覚えてて、財布をよくみてから選んでくれたんだろう。


すげぇ嬉しい…相手を考えて贈るってことだよな。


「うわぁ~素敵…
ねぇ?これってもしかして祐君も?」


俺は首から下がるペンダントをコートの中から出して見せる。



「あぁ~やっぱり!
嬉しいなぁ、なんだかいつも傍にいるって
感じられる…ありがとう…」


そう言ってキュッと両手で胸の前に握りしめて感動中…こんなしぐさも可愛いと思う。



「つけようか?」


「うん!」


美愛の後ろにまわり、髪の毛を押さえてくれて、あらわになったうなじにクラクラしながらも(笑)どうにかつける。


ペンダントヘッドはシルバーで長方形してて、表面に赤い石が1つ埋まっててそれを見守るように天使が彫られている。



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