両想い【完】


「はっ、みあっ…ごめ、
無理…させたな?」


抱き締めたまま息を整えながら聞くと首を横に振る。


「はぁっ…だい、じょうぶ…
祐君…きょう、もすてき…だった…」


にこりとしながら荒い息遣いのままに言う。


『すてき』とか!おさまりかけてた欲望がまた煽られるように、現れる。


「美愛の…せいだ…」


美愛の胸までさがり、頂を口に含め急に弄りだした俺に驚く美愛。


でも、抗う気はないようで、まだ落ち着かない熱をもった体を俺に預ける。


その夜は初めて、明け方まで深く激しく求めあって、繋がりあった。


***


目が覚めると裸のままで毛布と布団に二人でくるまり、抱き合っててなんだか幸せで幸せで…怖いくらいだった。


美愛が起きないように、そっとおでこにキスしてからベッドから抜け出し着るものを集めて風呂に向かった。


冬の朝は遅く、まだ静かだった。


熱いシャワーを浴びてから部屋に戻ると美愛はまだ寝ていた。


時計は7時過ぎ。


そういや、美愛父さんは帰ってきたのか?


「ん~」


美愛が起きたみたいで『祐君?』って探してるっ!


バッと体を起こし周りをキョロキョロ…俺と目があうと『おはよう』とニコ~っとする。



< 302 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop