両想い【完】
X'masパーティー
篠原加菜は高2になり、美愛に彼氏が出来たことなどは聞いて知っていた。
写メで春からよく話に出てくる俺や聡、暁人の顔を見ていたらしい。
話を聞くたびに聡の優しいところが気になり、よく、美愛に『今日の聡君』を聞いていたらしい。
体育祭もこっそりみに来ていたらしい。
好きだと気がついたのは、あまり美愛から話を聞けなかった夏休み明けの新学期、花宮駅のモールで聡と女の子が歩いているのをみた、その瞬間だった。
立ち尽くし涙が止まらなかったそうだ。
それからは美愛に探りを入れて、ついにあの文化祭間近の日の質問になったようだ。
本当は文化祭に来て初めての対面をしたかったらしいが、自身の学校も文化祭で来ることが出来なかった。
それから俺と美愛がしっくりいかなくなり、行動に移せないうちにX'masになってしまったようだ。
***
「乾杯~!!」
適当に食べ物を頼み、コの字のソファには俺、美愛、篠原、聡、暁人、山野とぐるりと座った。
山野と暁人はカラオケが好きらしく、賑やかな歌をどんどん入れて歌い始める。
俺は美愛の肩を抱いたまま篠原と聡を観察。
美愛は篠原のことを聡に細かめに紹介していた。