両想い【完】
「聡君…話の途中にごめんなさい
でも、聡君と加菜は私の大切な友達で
その二人がする、大事な話を
私達が聞いてしまって…いいのかな?
なんなら、私達、席を…」
「加菜ちゃんは…聞かれたくない?」
美愛の話を遮り、聡が篠原に聞く。
しばらく聡と、美愛とを見比べ、俺達も見た後、『みんなに聞いてもらう』と篠原が言った。
「加菜…いいの?
無理は…してない?」
「ん、大丈夫
聡君…さっきの質問の答えです…
私は…、栗山聡太郎君が…
好きです…」
部屋の中はシ~ン…としている。
「だから、聡君のことが知りたくて…
好きな人とか…聞きました…」
堂々と聡に話をする篠原。
なんか、潔くて格好いいと思えた。
「加菜ちゃん、ありがとう」
聡がヘラヘラ顔を止めてしっかりと篠原を見ながら話す。
「俺はつい最近まである人が好きだった
でも、これは報われないって解ってる想い。
だから、諦めようとしてた。
実際…最近はその人に会っても
胸が痛まなくなってきた…」
「だから、加菜ちゃん、
まだ完全な気持ちじゃないけど、友達から
俺の傍に居てくれるかな?
それじゃ、駄目かな…」