両想い【完】
「それでっ!!それでいいです!
わたし、どんな聡君でも…
どんな立場でも…
あなたの傍にいたいっ…」
篠原が勢い込んで返事する。
俺達はただ、見守るだけ。
「ありがとう…嬉しいよ……
加菜ちゃん、よろしくね。
……よしっ!!みんな、サンキュー♪
さぁ~歌うぞぉ!!」
篠原の手をとり、握手をしてから『歌うぞぉ』と弾けた聡…。
ごめんな、お前が辛い恋をしてたなんて、全く気が付かなかったんだ。
これからは、少しくらい俺を頼ってくれよ、寂しいじゃんか…。
***
それから、みんなでかなり盛り上がり、夜9時、お開きとした。
暁人は山野を送り、俺と聡が美愛と篠原を送ることになり、今は駅から四人で歩いてるとこ。
美愛と篠原が少し前を行くので俺は気になってたことを質問した。
「なぁ?間違ってたらマジごめんな?
お前が諦めたって…美愛、か?」
『ハァ!?』っとこちらを見る聡…あ…呆れた顔してる…ヤベェ…間違えた…
「あっ、今のなし、無しな?
悪りぃ~ハハハッ…」
「フッ…心配すんな…違うから
ま、そうだとしても、俺らの
友情には問題ないけど。
とにかくお前の知らないやつだから…」
そう言って少しだけ寂しそうな顔で笑った。