両想い【完】


***


無事に参拝し、おみくじを引くか話す。


美愛は意外と現実主義なのか、引きたくないっていうから、俺だけ。


「なんだった?」


背伸びをしながら、後ろから覗き込もうとする美愛。


「教えなぁ~い」


「えぇ~聞きたいよ~」


「だ~め、さっ、結んでこようっと…」


俺のおみくじは『大吉』、でも学業のとこだけがあんまりいいことが書いてなくて、なんかワケわかんないけど悔しいから言わずに結んでしまった。


しばらく、文句を言ってたが、美味しそうな匂いに負けたらしく、『あれ食べよう!』と腕を引かれてついた先にはたこ焼。


なんで新年最初の食べ物が『たこ焼』?


まぁ…いいけど、ね?


***


「あぁ~!美味しかったっ!」


大満足の美愛の頭を撫でてから、『さ、帰ろう』ってまた歩き出した。


行きに話した大学の事を片隅で考えながら美愛を見る。


同じ大学なら、学部が違っても、すれ違いは少なくて済むだろうが、大学まで違うとなったら…X'mas前どころではないくらいの勘違いとか、起きかねない。


自慢ではないが、お互いに今でも告白されたり、道で振り返られたりするんだ。


大学で友人と過ごしたってだけでも、状況によって、大変な誤解を招くかもしれない。



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