両想い【完】
そうならないように大学はかなり慎重に選ぶべきだな…。
しかも、ただ行けばいいってのは、論外で、ちゃんと将来に繋がらなくちゃ俺達の未来が危うくなる。
「で加菜がね……」
美愛が篠原の事を話してるようだが、俺はそれどころではなくなって…。
「祐君…相づち適当すぎ…」
頬をつねりながら睨む美愛。
「えっ…ごめ…なんだった?」
「質問、加菜のこと好きなの
答え、うん、だね…」
ゲッ……
「それはごめんな?
好きなのは美愛だけ、
大学のこと考えてて…
嫌な思いさせてごめん」
「ん、いいよ
私とのこれからを真剣に考えて
くれてたんだね、私こそ…
いつでもいい話で祐君のこと
邪魔したね、ごめんなさい」
ペコリと頭をさげてから、ニコッと笑い繋いだ手に力を入れる。
俺もそれに、返事をするように力を入れる。
何気ないことだが、だからこそ、少しのことでうまくいくならするべきなんだと、最近はつくづく思う。
よく『そのくらい』って言って、許されるって思ってるやつがいるけど、自分が『そのくらい』程度のことなら、言ったりしたり、するべきなんだ、相手が些細な『そのくらい』を望んでいるんだから。