両想い【完】
「今日は部活見学、俺、4月から
ここの生徒だから、宜しくぅ♪」
「えっ…そうなの?
薫叔母さん何も…」
「俺が話すから黙っててって、
頼んだからな。ビックリした?」
「するよっ!!してるよ!!
へぇ~、そっかぁ、あれ?
でも入試って…来月じゃない?」
「おまえ、サッカー推薦だろ…」
「まぁ…」
「葵、それ凄い!!おめでと!!
今日はお互いに時間ないけど、
今度お祝い、しようね!」
***
怪我から立ち直り推薦を勝ち取るとか、頑張ったんだなぁと思う。
この高校はスポーツに結構力をいれてて、今の校長の趣味なのか、サッカー部を特に強くしようとしているらしく、推薦枠があるのは聞いてた。
来年のチームが楽しみだな。
***
昨日の店に行き、取り置きをしたものを無事に買って、次は美愛が見たいって言ってた雑貨店。
なんでも、可愛いトラベルポーチがとか、何とか…。
そこは女ばかりで、さすがに俺は入る気にならず、通路にあるソファで待つことにした。
「買って来るから待っててね」
柔らかい笑顔でいわれれば、こちらも微笑み『了解』と返す。
荷物を受け取り、ドサッと座って休憩。