両想い【完】


また、大学のことを考えていた。


あれから美愛といろいろ調べ、今のところK大学が一番理想だろうって話しになった。


だが、おれは、まだ模試で判定がCだ。


もっと頑張らないとマジで、離れ離れになっちまう …


ハァ…ため息をついたところで『あの…』と声をかけられた。


パッと顔をあげると、俺らと同じ学校のカップルらしき男女がいた。


「なにかな?」


あまり感情のない声で答えると、男の方が話しかけてくる。


「あっと、俺達…1年で…
その…高城先輩と井上先輩に、
憧れて、て、
あの、文化祭のコンテストから、
なんですけど…で、えっと、
見かけたら何でだか…
声…かけてしまって…あ…
すみませんっ…」


なんだかよくわからないが、憧れてる俺をみて、思わず声をかけちまった、と。


「へぇ…どこが?」


「えっ?あ…あの、ですね
何ていうか…媚びないってか、自然てか
とにかく、ふたり、お似合いで…」


「祐君♪」


肩をトントンしながら、横に立つ美愛をみて、今度は女が『キャー…どうしよ…』とか焦り出す。


「ん?後輩さん?
こんにちは♪」


「どうしたの?」


そして俺に小さな声で聞いてくる。






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