両想い【完】
「ん?なんか…俺らに憧れてんだってさ」
「へっ?え…」
!真っ赤だ(笑)美愛、真っ赤っか…
「クククッ…美愛、照れてる?」
『祐君!』という小さな呟きとあまり痛くない腕を叩かれた感覚。
後輩のカップルは何も言わずに俺達をほぉ~っと見てた。
「で、何か聞きたいのか?」
最初の感情のない声よりは穏やかに聞いてみる。
「あ、いや…なんか
衝動的に声…かけちゃって
すいません、由美、なんかある?」
彼氏のほうはそう言って彼女に聞く。
すると由美と呼ばれた彼女は、俺らに近づき照れ笑いしてた美愛の手をギュっと握りしめ…
「美愛さんっ!あのっ、今度
ヘアメイクとか、あと、ちょっと
内緒の相談…聞いてもらえませんか?」
「?うん、もちろん、いいよ
今日は時間がないからそうだなぁ…
連絡先、交換しておこうか♪」
「あ、はいっ!!」
二人は携帯でやり取りしながらニコニコ。
それを見る由美って子の彼氏もニコニコしてた。
***
買い物を終えて美愛を送って一人、また悩みながらバイトをこなし自分も家に帰った。
珍しく親父が普段より早く帰宅していて、話があると言ってきた。