両想い【完】
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「なぁ、祐…お前は…
転勤についてくる気、あるか?」
「は?転勤…?
お、親父っそれ、どうゆうことだよっ!」
「おい、落ち着け…無理に
連れてくとは言ってないだろうが」
『あ…』掴みかかろうとする手を下ろし、次の親父の言葉を待つ。
「4月から…大阪にって話が
上がってな、でもお前は高3になるし、
大学もこっちで、K大だっけか、
考えてるっていってただろう…
だから、お前がこっちに残りたいなら
この家はそのままだし、可能だ。
ただ、母さんは…大阪に来てもらいたい…」
キッチンで静かに聞いていたお袋を見ながら親父が話す。
お袋は親父と俺を順に見ながら話し出す。
「祐、私は父さんについていくわよ、
今までは転勤もなくて、離れるなんて
考えたことないの。
この年であっても…傍にいたいのよ。
祐に悪いとは思わないわよ?」
「そう、お袋の考えは分かった。
それで、全く構わないよ。
俺は残る、で、大学行ったら美愛と
暮らしたい。
お袋はとことん親父に
付き合ったらいいし。」
「そう、なら話しはこれで決まりね♪
よかったわ、揉めることもなくて。」
『ねっ?』なんて言うお袋に親父も苦笑してた。
でも、4月からどうやら俺は一人暮らしが出来るらしい…ラッキー♪